大学/大学院のコース選びは慎重に
学部によっては、40%もの卒業生がその専攻での職業に着くことができません。しっかりしたキャリアデザインを持つことは非常に重要なことです。まず自分の将来のキャリアをしっかり定め、その後に専門分野を考える必要があります。
また、自分の興味のある専攻を選ぶことも忘れてはいけません。高度な専門分野の勉強を母国語以外で勉強することは簡単なことではありません。自分が興味のある分野だからこそ大変な勉強も続けていけるからです。
滞在地域を選ぶ
留学先滞在地域が都市部か地方都市かによって、滞在費、交通費等の生活費で大きな差がでてきます。限られた予算の中、長期の留学において、いかに生活費のコストを落とすかは切実な問題です。都市部の大学の場合、一般的に生活のコストが高いです。費用を抑えるなら、郊外や地方のエリアも是非考慮に入れてください。
もちろん、大学/大学院留学は、単に勉強だけの場ではなく、新しい友達との出会いや余暇を楽しむなど、新しい生活の場でもあることを忘れてはいけません。生活の場として、自分が住みやすい環境や地域を選ぶことも非常に重要です。
また、是非考えて頂きたいのが、自分の専攻と関連した仕事でのワークエキスペリエンスや アルバイトのチャンスがあるエリアの大学を選ぶのも一つの方法だと言う点です。専門知識プラス実践の経験は、将来の就職の際に有利に働くでしょう。自分の希望する専攻が、どこの地域でそのニーズがあるのかも検討して見る必要はあると思います。
>> 詳しくは、オーストラリア各州の特徴へオーストラリアの大学の知名度
オーストラリアの大学のほとんどが州立のため、授業料や教育内容の格差は比較的少なく、公的な全豪大学ランキングは存在ないと言われています。しかしながら、オーストラリア国内の高校生が大学進学する際には明確な大学間のレベルが存在し、一般的に各州の中で設立が古い大学が知名度が高く、優秀な学生が集まる傾向があります。
海外留学生としてのオーストラリアの大学入学は、幸いにしてこのオーストラリア人高校生たちと比べて、非常に緩やかなものになっています。しかし、単なる知名度だけで大学を選ぶのではなく、自分のレベルに合った大学なのか、留学生として学びやすい環境なのか、入学のフレキシビリティ、大学の研究成果などの様々な要素での検討が不可欠です。
知名度が高い大学の卒業生は、就職に有利なのでは事実です。しかし、現実は厳しく一般的にオーストラリア人学生の1/3が初年度に、落第、退学、コースの変更を余儀なくされています。英語の苦手な日本人留学生なら、この比率はもっと高いかもしれません。
オーストラリアの大学では、常に変化している世界市場において産業界が求める即戦力としての知識や技術を提供しています。残念ながら大学をぎりぎりの成績で卒業した人は、即戦力としての知識、技術があるとは、判断されない場合が多いようです。単なる知名度や入学の難易度だけで大学を選ぶのでなく、自分の知識を伸ばしてくれる大学、よい成績で卒業できる大学を選ぶ必要があるとも言えます。
また、たとえ同じ専攻であっても、大学によってプログラム内容は異なります。自分の専攻がしっかり決まったら、各大学のWEBサイトで卒業規定の科目とその内容をよく読み、自分が学びたいことを教えてくれる大学を選ぶ必要もあります。
オーストラリアの大学の規模
大規模な学校は、学生数が多く選択科目数が多い等のスケールメリットがあります。広大なキャンパスでの留学生生活は、日本では味わうことはできないでしょう。また、膨大な卒業生ネットワークの一員となれるのも魅力の1つです。しかしその反面、 学生各自に積極性と自主性が要求されます。オーストラリア人でさえ、その大きさのために慣れるまで孤独感を感じることがあるのですから、英語圏の文化に慣れ親しんでいない留学生にとってはハードな一面もあることを忘れないで下さい。
反対に小規模な学校は、大規模な学校では味わうことのできない指導教官や学校職員との親密なつながりを持つことができる大きなメリットがあります。一般に少人数制のクラスで友人も作りやすく、また指導教官が個々の性格や学力をよく把握してくれるので、大きな手助けとなります。英語が苦手な海外からの留学生向きとも言えます。しかしその反面、選択科目数が少ない点が、マイナス面として挙げられます。どの環境が、一番自分に適しているか冷静に判断してください。
年齢と職務経験のバランス
オーストラリアの大学を卒業したからといって、オーストラリアで働ける保証は全くありません。必ず日本での就職のケースも考えた上で、キャリアデザインを作る必要があります。
ご存知の通り、日本の就職市場は、新卒者と中途採用者に別れます。海外の大学/大学院を卒業した年齢が、26、27歳位までなら、第2新卒者として扱われると言われています。その年齢層であれば、オーストラリアでの学位は有利に働く可能性が高いでしょう。
しかし、20代後半以降の人は即戦力が要求される中途採用者の扱いとなるので、職務経験が重要視されます。オーストラリアの就職市場においても、新卒者以外は職務経験が非常に重要なポイントを占めます。20代後半以降で留学を決意した人は、自分のキャリアに即した専門を選ぶ必要があるかもしれません。また、自分のキャリアを180度変更する留学を考えている人は、いかに海外で職務経験を得るかが重要な課題となります。
オーストラリアの場合は、学生ビザでも週20時間以内ならアルバイトが認められています。在学期間中に、自分の専攻関連の職種でワークエキスペリエンス(職務経験のために無給で働く)または、アルバイトをして、職務経験を得る可能性もあります。また、その後にビジネスビザで採用される可能性も皆無ではありません。但し、大学と仕事の両立は、簡単なことではありません。